
S3-01. AIは「わかってくれてる」わけじゃない。だからこそ、頼み方と疑い方で差がつく(生成AIの仕組みの誤解|前編)
2026年5月15日31分
出演

ゆと生成AIフル活用な1人起業家大学院で物理を学んだ工学修士。新卒でベネッセの進研ゼミづくりに携わり、その後ITへ転身。現在は音声コンテンツと生成AIを中心に活動する1人起業家兼会社員です。

しみ生成AI系の新規事業担当某国立大学の数学系学科を卒業。長らく教育系大企業で新規事業を担当していたが、生成AIの新規事業担当に転職。音声コンテンツよりもYouTubeやマンガ派です。
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「AIはなんとなく賢い」——その曖昧な信頼を、2人がいったんバラします。生成AIは確率装置で、意味を理解していないからイエスマンになるし、存在しないURLも書く。じゃあ、いい答えはどこで決まるのか。新規事業担当のしみと、ゆとが体感で答えを探していきます。
生成AIの"中の人"は、IQ200のスーパー人間なのか
0:18 からこの部分を聴く
テーマは「生成AIの仕組み」——のはずが、2人の会話はいきなり斜め上から始まりました。

「生成AIって、賢いSiriちゃんみたいなロボットが返してるんじゃないんだっけ?」

「賢いSiriちゃんとは。」

「いや、実はOpenAIが、IQ200ぐらいのオペレーターを大量に雇ってて、チャットで返してるんじゃないの?」

「マジ、スーパー人間だね」

「その人たち、逆にすごい気になる。24時間いつでもいるアルバイトでしょ」
ボケは置いておいて、じゃあ本当のところAIは何をしているのか。仕組みから聞いていきます。
AIは意味を理解していない。"正しい風"を確率で並べているだけ
2:12 からこの部分を聴く
「AIは分かってくれている」と思ってた——でも仕組みを知れば、それが『正しい風』でしかないと分かります。

「そもそも『分かってる』って、こっちの言ってることを理解してる、っていう感覚だよね?」

「大前提として、生成AIは確率装置なんだよ。与えた言葉をもとに、次に来る言葉を確率で並べて、くじ引きしながら文章にしてるだけ」

「意味を理解して答えてるわけじゃない、と」

「そう。『美味しい』と言われたら、共感する言葉を返す確率が高いってだけ。意味そのものは分かってないんだよね」

「『もっともらしい嘘をつく』ハルシネーションはよく聞くけど、じゃあ嘘じゃない時は……」

「ハルシネーションしてない時だって、それっぽい言葉がたまたま合ってるだけなんだよ。結構な確率で正しいけど、あくまで『正しい風』でしかない」
「正しい風」がどう牙を剥くのか。一番分かりやすい現場が、AIが出してくる出典のリンクです。
存在しないURLまで"それらしく"でっち上げてくる
6:40 からこの部分を聴く
AIが示してきた出典のリンク、その先まで開いて確かめていますか?

「正しさで言うと、今のChatGPTって『このページを見て答えました』ってリンク付きで出せるじゃないですか。だから言葉だけで返してくるやつほど疑う」

「でも出典を出し始めた頃は、リンク切れだったり、出典元が全然嘘だったりしたよね。存在しないURLすら、それらしく書いてたもんね」

「今でもたまにあるよ。『このページにさすがに書いてないだろ』ってやつ」

「あー、あるあるあるね。わかってないからさ」

「だからおれは、AIが『事実』って言った部分を、もう1回そのリンクに踏みに行かせる。事実と推測を分けさせて、ワンクッション挟むんだよね」

「そこまでやってるんだ。リンクが付いてても、鵜呑みにはしないってことか」
嘘を踏まない工夫の次は、AIの「性格」の話。褒め上手という長所が、急に弱点に見える瞬間があります。
ChatGPTは超イエスマン。だから"反対意見"を自分で書かせる
9:18 からこの部分を聴く
「新規事業担当」の目線で見ると、AIの褒め上手な性格は、急に頼りなく映ります。

「ChatGPTって、ユーザーを否定しないんですよ。褒める、共感するのが特に強め」

「よく言われてるね」

「新規事業担当の目線だと、イケてるか分からないアイデアを褒められても困る。イケてないなら、フラットな意見が欲しいんですよ。割と全部イエスマンなんだよね」

「確かに。イエスマン対策、なんかコツあるの?」

「『否定的な意見を書いた上で、あなたならどうする』って聞く。カウンターもセットで出させて、戦わせるんだよね」

「反対意見か。おれも『A・B・CのうちAがおすすめ』って言われたら、答えが変わる条件のほうを聞くわ。それやると、結局Aでも安心して選べる」
反対意見も、答えが変わる条件も、結局は「頼み方」の話。ここが回答の質を左右する本丸です。
いい答えの6〜7割は、AIの性能ではなく"頼み方"で決まる
14:20 からこの部分を聴く
「いい答えはAIの性能で決まる」——この通説を、2人は自分の体感で検証していきます。

「ChatGPTの補足が的確でさ。『回答の質は、AIの賢さより依頼の設計でほぼ決まる』って言うんだよ」

「『ほぼ』か。じゃあ依頼が6〜7割、性能は3〜4割くらいの感覚かな」

「仕組みに戻るとさ、AIは与えられた言葉から次を確率で予想してるだけ。だから人間同士なら暗黙の了解で伝わることも、言葉にして全部渡さないといけない」

「『いい新規事業作ってよ』だけ、みたいな依頼ね」

「そう。予算も、お店型かネット型かも、いつ出したいかも分からない。それを渡さずに設計させたら、そりゃミスるよ」

「『いいアイデア頂戴』も同じか。結局『あなたにとってのいいアイデア』って何?って話だもんね」
頼み方が大事だと分かったところで、最後にもう一段。知ってる人ほどやっている、実用ワザを紹介します。
ミスったプロンプトは直さない。"前のメッセージごと"書き換える
25:00 からこの部分を聴く
知ってそうで、やっていない人がほとんど——この回で最も実用的なワザを、最後に紹介します。

「意外とやってない人が多いんだけど、前提をミスった時、次のメッセージで挽回しようとするでしょ。そうじゃなくて、前のメッセージそのものを編集して、もう一回送るんだよね」

「これ、実はぼくやったことないわ。編集を完了すると、それがそのまま送られるの?」

「そう、もう一回送られる。直前だけじゃなく、3〜4個前まで戻ってやり直す時もあるよ」

「なんで『次』に進まず、わざわざ『戻る』の?」

「一回ミスった文脈が、後の回答の『傷』になって邪魔する時があるから。潔くやり直したほうが早いんだよ」

「これはチップスだわ。変な答えが返ってきたら、AIを疑う前に思い出す。AIのIQはマジで高いから、それでも変な答えなら、大事な何かをこっちが渡せてないんだよ」
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