
S3-02. AIは「全部読んでくれる」わけじゃない。だからこそ、任せ方と確かめ方で差がつく(生成AIの仕組みの誤解|後編)
2026年6月16日24分
出演

ゆと生成AIフル活用な1人起業家大学院で物理を学んだ工学修士。新卒でベネッセの進研ゼミづくりに携わり、その後ITへ転身。現在は音声コンテンツと生成AIを中心に活動する1人起業家兼会社員です。

しみ生成AI系の新規事業担当某国立大学の数学系学科を卒業。長らく教育系大企業で新規事業を担当していたが、生成AIの新規事業担当に転職。音声コンテンツよりもYouTubeやマンガ派です。
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生成AIは長文をかなり読めるようになった。でも「全部をちゃんと覚えている」と思い込むと、途中の大事な条件が抜けることもある。今回は、長文を任せるコツから、音声入力で頭を整理する話、AIを“相棒”として捉える感覚まで、実践寄りに掘っていきます。
ハリー・ポッター1冊分が入る時代、「長文」の定義が変わっている
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「長文は苦手」と思っていた時代から、AIの前提はかなり変わっています。ただし、読める量が増えたことと、全部を正確に扱えることは別の話です。

「プロンプトエンジニアリングって、多分ぼくが生成AIの新規事業担当になる前ぐらいの時代なんですよ。要約させて持たせようとか、英語にせよとか。」

「今はね。」

「ChatGPTとかで言うと、今って10万文字ぐらい覚えられるんですけど、ハリー・ポッター1冊分ぐらい。1回のやりとりでパッと返事が来てると思うけど、そのインプットでハリー・ポッター1冊分が入ってる。」

「そう思うと、相当読めるよね。」

「ハリー・ポッターの『賢者の石』が英語で7.75万ワードなんですって。」

「長文の定義がだいぶ変わってきてるね。進化ね。」
AIは「最初」と「最後」に強い。でも、真ん中が抜けやすい
4:59 からこの部分を聴く
長いやりとりになるほど、AIはすべてを均等には扱えません。そこで出てきたのが「中が抜けやすい」という感覚です。

「チャットが続いていくと、もともと渡したやつにやりとりが足されて増えていくじゃないですか。すごく長くしていったら、その中の『いつ言ってたっけ』みたいなのは、仕組み的に強くないはずで。」

「常に全ての文字を天才的な人がガッと眺めて、パッと答えるみたいなのとは違うんだ。」

「時間軸で、上からこうなって、こうなって、こうなってというよりも、10万文字を一瞬で読んで、次に出る確率を選んでいく。そう考えると、やりとりが長くなるほど大事なところをつかみにくくなる可能性は高まるよね。」

「指示を抜け落とすのはあり得るよね。」

「仕組みとして最初と最後を大事にするって言われていて、それはそうなんです。最初と最後は注意が働きやすい。中が抜けやすい。」

「なるほどね。中でやりとりしたことを反映させたかったら、フィードバックで思い起こしてあげるといいってことか。」
長いタスクで迷子にしないコツは、「今、何番?」を宣言させること
6:40 からこの部分を聴く
AIに手順を任せるとき、ただチェックリストを渡すだけでは足りないことがあります。鍵になるのは、AI自身に現在地を言わせることでした。

「対策としては、1つ目が重要条件を3行に圧縮する。2つ目が条件をチェックリスト化する。3つ目が次に見るべき論点を番号で再提示させる。」

「なるほどね。」

「この3つの中で、3番だけはシステム的に実は納得してます。アプリ開発で言うと、ステップ1これ、ステップ2これ、ステップ10これ、みたいなものを入れ込むじゃないですか。」

「はい。」

「それを生成AIに、今ステップいくつだよ、次いくつだよって思い起こさせないと、ステップがループしたり、動かなくなったりする。AIエージェントとして順番通りにやらせる時は、今何番で次何番かを意識させたり、宣言させたりしないと、いつの間にかわからなくなっちゃう。」

「やることリストみたいなのに近いのかな?」

「近いと思う。チェックリストが終わればいいというより、順番がついているレシピの手順を渡した時に、『私は今4だ、野菜を入れるんだ』みたいにしないと迷子になりやすい。」
「こうやりました」と言うけど、やってない。だからチェックリストが効く
9:35 からこの部分を聴く
実際に開発でAIを使っていると、「やった」と言いながら未完了なこともあります。そこで、完了条件を外に出しておく意味が見えてきます。

「結果的にやってるわっていうのかもしれないんだけど、こっちが『こういうのやって』って手順を決めたら、ファイルにしてもらってるんだよね、コーディング版が。」

「はい。」

「コーディングでやることリストをチェックリストで作って、都度そこにチェック入れて、終わったら次に進んでねってやってて。」

「なるほど。」

「それをやった理由が、今しみさまが言ってたように、こうやりましたって言うんだけど、やってないんだよ。」

「こうやりましたって言うんだけど、やってないんだよ。」

「その精度が、チェックリストをちゃんと更新させていくことで、ある程度本当にやるようになった。長いタスクをこなせるようにするときに、ブレにくくなるんだと思う。」
「おれの能力を遥か超えて」チェックしてくれる。リストは資産になる
11:04 からこの部分を聴く
開発の文脈では、長文処理やチェックリスト活用がかなり先に進んでいます。人間が思いつかない観点を、AIに出させる使い方です。

「開発っぽいことをしない人はイメージ湧かないかもしれないんだけど、まずプログラミングで『これとこれチェックして』って言うんだよね。」

「はいはい。」

「その後に、この3観点で合わせてチェックすべき他の項目とか、類似の項目で抜けてるやつをリストアップしてチェックしよう、とか。」

「はいはいはいはい。」

「さらに、この観点だと抜け落ちている全く別の観点でチェックリスト作ってやれ、みたいなことをやると、おれの能力を遥か超えてすごいチェックしてくれるんだよね。」

「でも、そのリストすごい資産的な気がする。 こうやってチェックさせるといいよ、みたいな。」

「そうそう。それをまた資料化して、次はそのリストを始めからやらせるとか。」

「いいっすね。やってますね。」
3分しゃべるだけで、AIが“自己解決の相手”になる
13:45 からこの部分を聴く
日常使いでは、ハリー・ポッター1冊分を渡すよりも、音声入力で長く話すほうが現実的かもしれません。ここから話は、AIを思考の吐き出し先にする方向へ進みます。

「日常使いだと、全然普通に長文っぽいことをしてる。音声入力モードで3分ぐらいしゃべるもんね、普通。」

「はいはい。」

「言葉にするとめーっちゃ長い。すごく適切に答えてくれるし、言い直したやつとかも、あまり引っ張られずに見てくれる。すごいよ、すごい。」

「いやーいいね。音声入力で3分しゃべり続ける才能があるっていうのもすごいね。」

「これ多分、軽率な能力だと思う、実は。仕事してる時に、同僚とか上司を捕まえて『ちょっと聞いてよ』って、3分ぐらい一方的に話すことあるじゃん。」

「ないよ。言われることだけがある。信じられないな、人の時間を急に3分奪うなんて。」

「アイデアが浮かんだ時に、きれいにまとめるより、しゃべってみる方がまとまる。3分の中で矛盾に気づくとかよくある。」

「確かに、書き出すなりしゃべるなりで自分の頭を整理するっていうのはめっちゃ同意。それを一人でしゃべり続けられるっていうのは特殊能力だと思います。」
知ったかぶりする超天才?AIは「そういうやつ」として付き合う
18:26 からこの部分を聴く
最後にたどり着いたのは、AIを正しく疑いながら、相棒として扱う感覚でした。ミスを欠点だけで見るのではなく、特性として捉える話です。

「AIの個性、特徴として捉え方次第だよね。『わかってないな』『間違ってるな』『伝えたこと忘れるな』って思うと、クソってなるじゃないですか。」

「はい。」

「だけど個性だと思って、賢いけど、わかってる風・正しい風に確率的に出るやつだとわかってると、かわいいやつやなって。」

「そういうやつなんだなっていうか、めっちゃ普通に人っぽく理解したよ。」

「基本的にガチで賢いし、イエスマンかノーかで言えばイエスマンだし、賢すぎて間違ってることを認めるのが嫌だから知ったかぶるし。いるよ、人でも。」

「そういう感じじゃんって思って付き合おうとすると、賢いんだから根拠を教えてよとか聞けばいいだろうし、ちゃんと指示しなきゃいかんのかなって思ったりとか。」

「前提として賢いからね。大学入学共通テストを受けても、彼は95%ぐらい取れるんですよ。超天才なことは間違いない。」

「すげーんだよ。すげーやつ。いろんな個性を持ってるけど、すげーやつ。いい相棒ですよ。」
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